
逆流性食道炎の専門用語について。
逆流性食道炎についての専門的なサイトなどを見ていると、GERDというワードが頻出します。このブログのアドレスもこのワードを使ってgerd-guide.comとしました。
実は、逆流性食道炎について専門のサイトなどを調べていると、このような略語が非常に多いことが分かってきます。日々忙しく仕事をされている医師や研究者の方々が「gyakuryuuseishokudouenn」と入力して変換して。。。とやっていたら大変だということなのでしょうか。
以前の記事タバコと胃酸逆流の関係について。で引用した内容では、下部食道括約筋という用語の代わりにLESという単語が使われていました。今後、記事の中で専門サイトから引用する場合に、このような専門的な略語が頻出することも考えられます。今回は逆流性食道炎絡みの略語についてまとめておこうと思っています。
GERDとは
ここまでブログを書いてきて今まで勘違いしていたのがお恥ずかしいのですが、私これまでGERD=逆流性食道炎という認識でおりました。しかし正式には「胃食道逆流症」という言葉があてられているようです。試しにGERDという単語を紐解いてみるとGastroesophageal Reflux Diseaseとなります。
- Gastro:胃(stomach)
- esophageal:食道の(esophagus=食道)
- Reflux:逆流
- Disease:症状・炎症
日本語に置きかえるときれいに「胃食道逆流症」となります。「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン 2021」によると、胃食道逆流症の定義は次の通り。
胃食道逆流(gastroesophageal reflux:GER)により引き起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患 (日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン 2021」より)
では「逆流性食道炎」とは何かと言うと、胃食道逆流症によって胃酸が逆流し、食道の粘膜に炎症ができた状態のこと。逆流性食道炎は、RE(Reflux Esophagitis)という略語があるようですが、あまり使われていない印象です。
NERDとは
関連するワードでNERDがあります。Non-Erosive Reflux Disease。
- Non-Erosive:非びらん性の
- Reflux:逆流
- Disease:症状・炎症
つまり「胃酸が逆流はしているけど、食道の粘膜は傷ついていない状態」のこと。専門用語では「非びらん性胃食道逆流症」と呼ぶそうです。
GERD, 逆流性食道炎、NERDの関係を図解すると下記のようになります。GERDの中に逆流性食道炎とNERDが含まれる形ですね。

「びらん」って何?
NERDの解説で「びらん」という言葉が出てきました。びらんとは、皮膚や粘膜の表面が傷ついてただれた状態のことを指す医学用語で、食道に限らず胃や皮膚など体のさまざまな部位で使われます。似た言葉に「潰瘍」がありますが、びらんは表面が浅く傷ついた状態、潰瘍はさらに深く組織が欠損した状態を指し、びらんは潰瘍の手前の段階と考えると分かりやすいと思います。皮膚で言えば、擦り傷のように表面がただれた状態をイメージしていただくとよいでしょう。
逆流性食道炎はこのびらんが食道に生じた状態であり、胃カメラで視覚的に確認できます。一方NERDは、胃酸の逆流による症状はあるものの、内視鏡で見てもびらんが確認できない状態です。胸焼けなどの症状があるのに、検査で異常が見つからないと言われて戸惑った経験のある方もいるのではないでしょうか。
代表的な用語まとめ
その他、このブログで今後出てきそうな用語を下にまとめておきました。
| 略語 | 日本語 |
|---|---|
| GERD | 胃食道逆流症 |
| NERD | 非びらん性胃食道逆流症 |
| RE | 逆流性食道炎 |
| GER | 胃食道逆流 |
| BE | バレット食道 |
| PPI | プロトンポンプ阻害薬 |
| H2RA | H2受容体拮抗薬 |
| LES | 下部食道括約筋 |
| EGD | 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) |
まとめ
逆流性食道炎に関連する専門用語は、慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。まずGERDという大きな概念があり、その中に炎症のある逆流性食道炎と、炎症のないNERD(非びらん性胃食道逆流症)が含まれる、という関係を押さえておくと、今後の記事も読みやすくなると思います。
今回まとめた略語は、専門サイトや論文を読む際に頻繁に登場しますので、参考にしていただければ幸いです。