逆流性食道炎の意外な原因。

逆流性食道炎の意外な原因。

前回の記事にて、胃がんとの関連が指摘されるピロリ菌の名前が出てきました。個人的にはすごく意外だったのですが、調べてみると実は胃酸逆流と深い関係があるんです。

以前わが国では、ヘリコバクターピロリ菌の感染者数が多く、胃の粘膜が萎縮し、胃酸の分泌が抑えられた状態となっていました。しかし、衛生環境の改善で感染者数が減少したこと、ヘリコバクターピロリ菌の除菌が進むことで、逆流性食道炎が増加したといわれています。(名古屋市立大学 大学院医学研究科 消化器外科学のHPより)

ピロリ菌と胃酸逆流

胃がん予防のために呼びかけられているピロリ菌の除去が、逆流性食道炎の発症につながるとは驚きです。

ピロリ菌については必ず医師の指示に従って治療するようにしていただきたいのですが、この場合の胃酸逆流は一時的なものだと考えられているとのこと。

除菌療法に成功した患者さんのうち、少数の方に逆流性食道炎の発生が報告されています。これは、ピロリ菌の除菌によって、低下していた胃酸の分泌が正常に戻ったために一時的に起こると考えられています。ただ、症状は軽微あるいは無症状の場合が多く、治療が必要となるケースはまれです。(武田薬品工業 ピロリ菌のお話.jpより)

いずれにしても症状が出た場合や気になる場合は、医師に相談してみることをおすすめします。

筋トレにも逆流リスク

この他、胃酸逆流の要因として個人的に意外だったのは、筋トレです。

激しい運動(通常 VO2maxや最大心拍数をもたらす運動を指す)は酸のGERを増加させることが報告されており,GERDの誘発因子となる.また,筋力トレーニングでも酸のGERがしばしば生じる。(出典: 日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021」)

酸のGERは胃酸逆流を指しています。つまり、激しい運動や筋トレをすると逆流性食道炎の症状が出る可能性があるということ。「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021」ではこの他に、胃酸逆流の要因の1つとして「肥満,高齢化,骨粗鬆症に起因する円背に伴う腹圧の上昇」を挙げています。筋トレによって腹圧が急激に上昇すると考えると、それをきっかけに逆流の症状がでるのは当然かもしれません。

ベンチプレスでも逆流した

私の体験談なのですが「筋トレで胃酸逆流」の話を聞いて「腹部に力の入る運動は危険なので、ベンチプレスで体の上部を重点的に鍛えよう」と決心したことがあります。それで頑張ってベンチプレスを頑張っていたところ、見事に逆流性食道炎の症状が。最初は別の要因ではないかと思っていたのですが、ベンチプレスをやった翌日に必ず症状がでるのです。

詳しい人に聞いてみると、ベンチプレスとはいっても体はつながっているので、腹圧は上がるものなんだそうです。いずれにせよ、食べた直後は避ける、体を前に屈めるトレーニング種目は避ける、少し余裕のある重さでトレーニングするなどの対策は必要そうです。

まとめ

胃酸逆流の原因として意外なものを2つ挙げました。1つ目はピロリ菌の除菌。胃がん予防のために推奨されている除菌が、一時的に逆流性食道炎を引き起こす場合があります。

2つ目は筋トレ。腹圧の上昇が胃酸逆流を誘発するのですが、腹部に直接負荷がかかる種目だけでなく、ベンチプレスのような上半身のトレーニングでも逆流が起きることがあります(私の体験)。心当たりのある方は、食後すぐの運動を避ける、屈曲系の種目を控えるなどの対策が必要かもしれません。

この記事の内容は参考情報としてお読みください。免責事項をお読みの上、症状や治療については、必ず医師にご相談ください。